ー可能性を考えるー
日本の子どもたちの幸福度
まずはこのデータ、ご存知ですか?
ユニセフが2020年に発表した、先進国の子どもたちの幸福度ランキングなのですが…
日本の総合順位は20位
その内訳は、精神的幸福度(心の幸せ)、身体的幸福度(健康)、そしてスキル(社会性や勉強面)の3項目から構成されているのですが…
各項目の順位に愕然とします。
日本は身体的幸福度は38か国中1位なのに、精神的幸福度は最下位から2番目の37位です。
増える小学生の精神疾患
不登校の相談を受けていると、小学生でうつ病を発症している子が増えている気がします。
これは2023年4月3日の産経新聞の記事の抜粋です。
「厚生労働省と警察庁の発表によると、全国で昨年1年間に自殺した人は2万1881人。このうち小中高生が514人で過去最多となり、小学生は17人、中学生が143人、高校生が最も多く、354人だった。小中高生を含む19歳までの1006人のうち、自殺の原因・動機がうつ病とされたのは79人で、学業不振の104人、その他の精神疾患(うつ病、統合失調症、アルコール依存症、薬物乱用、摂食障害以外)の97人、進路に関する悩み(入試以外)の84人に次いで多かった。」
こんなにも多くの子どもたちが心の病にかかってしまう日本の社会、本当に深刻ですね。
実際に不登校相談会などでお話しを伺うと、「うつ病で入院していました」「退院しましたが家にいると症状が悪化するので施設に入っています」という小学生も少なくありません。
そのようなお話しを聞くたびに心が痛みますが、これが今の日本の現実なんです。
見落としがちな子どもの精神疾患
大人のうつ病は気づきやすいのですが、子どもは自分の体の症状をうまく言語化できなかったり、親としても「怠けでは?」と思ってしまうことが多く、なかなか心の病にかかっているとは気づきにくいようです。
特に小学校高学年から中学生の思春期では、反抗期の一種としても捉えられてしまうことも多く、なかなか本人の心と体のしんどさを理解してあげられずに、無理やり学校へ行かせようとしてしまうケースも少なくありません。
そのような日が続いていると、ある時突然本当に体が動かなくなり、しばらく寝たきりになってしまうことさえあります。
いわゆる「強制終了」です。
脳が心と体の限界を知らせてくれているサインなんですね。
うつ病になってしまうくらいの過剰なストレスを抱えてしまう環境を見直すことが大切ですね。
子どもには何かと「やる気がない」とつい言ってしまいがちですが、その行動は本当に「やる気がないから」なのか?それとも、「やる気はあっても体が動かない状態なのか?」を見分けることがとても大切です。
学校へ行かせることが親の責任だと考えている責任感の強い親御さんは、あの手この手を使って子どもを学校に行かせようとしますが、「学校に行かなくてもよい」という考えもあっていいのです。
大人が心身の不調で会社を休むように、子どもも同じです。
まずはお子さんの体に出ているSOSに気づいてあげてくださいね。